【ケース】書籍編集のサポート依頼について

書籍編集のサポートのご相談があったので、ご紹介いたします。

先日、あるお客様から書籍出版のお話をお伺いしました。主な目的は自社のブランディングや採用活動への寄与でした。
しかし、ライターが執筆した内容と、お客様が伝えたいメッセージにギャップを感じました。
その点を基に、以下のサポートを提案させていただきました。

・経験豊富なビジネス書の編集者として、リスクがある箇所の指摘
・読者に正確にメッセージを伝えるための内容の確認
・内容の改善提案と具体的な加筆修正案
・スケジュール調整に関するアドバイス

上記のフィードバックをうけ、お客様は出版期日の再調整、既存のゲラ(初稿)への大幅修正を行うことになりました。

出版とは社会に刺青をほること

私が編集者として常に著者の方々に伝えてきたことは、書籍を出版することは、刺青を社会にほるようなものだということです。その内容は修正や削除が難しく、長期間の影響を持ちます。書籍はウェブと異なり、一度発行されると全国、場合によっては世界の図書館や書店に並ぶこととなります。

多くの経営者にとって、書籍出版は時間やコストがかかる大きなプロジェクトです。
だからこそ、綿密な計画とサポートが必要です。そして、担当編集者が、著者のメッセージを最も効果的に伝えるためのサポートができれば最適です。

しかし、現代の出版業界は非常に厳しい状況にあります。
編集者も多くの制約やプレッシャーがあり、厳しい状況に置かれています。良質な書籍を出版することを目指しながらも、どうしても細部まで時間や予算がなく、踏み込めない場合もあります。

そうしたときに、まだスケジュール調整や修正ができる段階で、第三者の目としてご相談いただければ、お力添えをさせていただくことができるかもしれません。編集者はもちろんですが、書籍出版に対する影響は著者のほうが大きいです。
だからこそ、著者のほうから、ある程度内容などをマネジメントしていくことが重要になってきます。

本業へのマイナスな影響を避ける

また、著者によっては、「とりあえず出せればいい」というような考えを持つ方もいます。
しかしその著者の仕事が、例えば「売ること」に関わるものであった場合、気をつけた方が良いでしょう。書籍をとりあえず出すことは簡単ですが、それが売れるかどうかはとても難しいのです。具体的には、最低1回でも増刷したかどうか、これが1つの目安になってきます。

もし増刷しなかった場合、それは予想以上に「売れていない」という印になります。
仮に2冊目を同じ版元で出さないにせよ、他の版元で出すにせよ、編集者は必ず前の部数や売れ行きをチェックします。
そこで売れ行きが良いものであれば、より前向きに企画の相談に乗ってもらえるでしょうし、売り上げが悪ければ、それは今後も数字、いわば成績としてずっとつきまとってきます。

もちろん、次作までの過程で、非常に多くのSNSフォロワーをゲットしたり、出す書籍のテーマが現在の社会情勢にヒットしているなどの一部の例外を除けば、基本的にはその数値をベースに、以後の書籍の部数が決定されるのです。
そもそも、部数の話をする以前に企画会議で断られるという可能性すらあります。

さらに、著者が「売り方」などについて講演・指導などをしているにもかかわらず、書籍の売れ行きが全く思わしくなかったらどうでしょうか。このように考えると、単に書籍を出したいという考えが、意外にも色々な部分に影響を与えることに気づいていただけるかと思います。

もちろん、「売れる書籍」を作成するのは難しいことです。
しかし、大前提として、「読者が知りたいことに丁寧に答える」「わかりやすく伝わる」の二点は非常に重要かつ基礎的な部分だと感じています。文は人なり、と言いますが、文章を通じて書き手の考えや恐ろしいほど伝わるものです。

ご相談やサポートのニーズがございましたら、こちらよりお気軽にお問い合わせください。

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