7月にドイツ・ベルリンのTOAに参加しました。欧州最大のテックカンファレンスと呼ばれているものです。
ベルリンの滞在で学んだことについてビジネスインサイダーで「閉じた日本、このままでいいの? 移民が支えるスタートアップ都市・ベルリンの実像」として記事を公開しました。
移民が生み出す繁栄の都市・ベルリン
ヨーロッパの中心部に位置するドイツの首都、ベルリン。
この都市は、時代を超えて数々の歴史的変革と文化的変遷を経てきた場所として、世界中の多くの人々に知られています。ベルリンは、歴史的な背景だけでなく、現代の活気に満ち溢れた文化やアートシーンでも注目されています。
今回注目したのはスタートアップのエコシステムです。
ベルリンが世界中からイノベーターや起業家を引きつける要因として、手頃な生活費やサポートインフラの強さが挙げられます。特に「ゼブラ企業」という、持続可能な成長を志向する企業が多くベルリンに集まっていることも特筆すべき点です。
移民は、スタートアップのエコシステムを支えている要因の一つとして非常に重要な存在でした。
また、物価の安さと英語の普及率の高さも、ドイツ語を話さない人にとって非常に魅力的です。
ドイツ全体の統計を見ると、5人に1人弱が海外からの移民で、これらの移民の平均年齢は29.9歳と非常に若く、ドイツの将来を支える存在と言えます。
ベルリンの歴史とのつながり
ベルリンの歴史は、中世の小さな町から現代の大都市へと変貌を遂げる中で、多くの出来事に影響を受けました。
特に20世紀は、ベルリンにとって波乱に満ちた時代でした。第一次、第二次世界大戦の中心として、そして冷戦の象徴として、ベルリンは世界の歴史の舞台として大きな役割を果たしてきました。
第二次世界大戦後、ベルリンは連合国によって四つの占領地域に分割されました。
そして、冷戦の中で、東西の緊張が高まる中、1961年にベルリンの壁が建設されました。この壁は、物理的な壁としてのみならず、東西の思想・価値観の違いを象徴するものとして、多くの人々に強い印象を与えました。1989年の壁の崩壊は、冷戦の終結と共に、ベルリン、そしてドイツ、さらには世界の歴史において新しいページを開く象徴的な出来事となりました。
その後、ベルリンは急速に変貌を遂げました。東西の違いを乗り越えて一つになった都市は、多文化的で開かれた場所として、多くのアーティストや若者たちを引き寄せました。壁の跡地や空き地が、新しい文化の発信地として、活気に満ちています。アートギャラリーやカフェ、ショップが立ち並ぶエリアは、ベルリンの新たな魅力を感じさせてくれます。
私は、壁の崩壊後に生まれているので、訪問後にもっと知りたいと思い、書籍や映画でベルリンをより深く理解しようとしました。
ベルリンを解釈するのによかった映画と本
「グッバイ・レーニン!」は、2003年に公開されたドイツの映画で、東ドイツの社会主義体制崩壊後の時代を描いています。物語は、1989年のベルリンの壁崩壊から始まり、主人公アレックスの母親クリスティアンが昏睡状態に陥ってしまうところから展開します。クリスティアンは昏睡状態に入る前、東ドイツ時代の理想を支持しており、西側の資本主義文化には反感を抱いていました。
アレックスは、母親が目を覚まして社会主義体制が崩壊したことを知らないまま元の状態に戻ることを避けるため、クリスティアンに東ドイツの体制が維持されていると信じさせるような努力を始めます。
映画は、アレックスの奮闘や人々の生活の変化、家族の絆、そして時代の転換期に対する感情を描きながら、コミカルでありながらも切ない物語が展開されます。アレックスは、母親に彼女の信じていた理想の世界を保ち続けることで、彼女の幸福を守ろうとする姿勢を通じて、家族の絆と愛情の力を示すことになります。
また、書籍では下記の2冊がよくベルリンの背景についてまとまっていたと思います。
ベルリンには、ベルギーからも1時間ちょっとなので、また再訪したいと思っています。
今回の記事では、このベルリンの魅力の一部を探りました。よかったらぜひ読んでみてください!